日本国憲法を生んだ密室の9日間
日本国憲法の草案は、連合軍総指令部(GHQ)民政局の手で、昭和21年(1946年)2月4日から12日までの、僅か9日間で作成された。
実際に草案を執筆したのは、民政局次長チャールズ・L・ケーディス大佐以下25人。2月4日、民政局長ホイットニー准少から、民主主義下の天皇制擁護、戦 争放棄など、3原則をメモしたいわゆるマッカーサー・ノートと呼ばれる三原則を渡され、日本人立ち入り禁止の密室で、ほぼ一週間で草案を書くよう命令され る。
メンバーは、総括をする運営委員会の下に、立法権、行政権、人権、司法権、地方行政、財政、天皇、条約、授権規定の7つの委員会に分かれ、直ちに作業に入った。
資料を借りに走るのも、その日からタイプに向かうのも、さながら突然の試験を数日先に言い渡された学生のような雰囲気であった。 この作品は、25人の内健在の6人の当事者と3人の関係者・学者にインタビュー、米国立公文書館、メリーランド大学などの文書資料や映像資料を豊富に交えて、当時を彷彿できるよう映像化した。
なぜ、GHQが日本国憲法の草案を、手掛けなければならなかったのか?天皇をシンボルとした発想はどこからきたのか?第9条はどうしてうまれたのか?男女同権は誰が書いたか?
この作品は、そのすべてに答えている。
[ インタビューした人々 ]
民政局次長 元陸軍大佐 運営委員会責任者戦争放棄条項担当
チャールズ・L・ケーディス氏
天皇条項担当 元海軍少尉 リチャード・プール氏
立法権条項担当 元海軍中尉 オズボーン・ハウギ氏
人権条項担当 ベアテ・シロタ・ゴードン女氏
行政権条項担当 元陸軍中尉 ミルトン・エスマン氏
民政局通訳 元陸軍中尉 ジョセフ・ゴードン氏
民政局員ながら草案当時入院中だった ジャスティン・ウィリアム氏
メリーランド大学名誉教授 日本国憲法研究の第一人者
セオドア・マクネリー氏
監修・取材:神戸大学教授 五百旗頭 真
取材・構成:鈴木 昭典
■内容 85分(DVD)
■販売価格 4,500円(送料+税別)
■ご注文フォーム
私は男女平等を憲法に書いた
「男女平等」。今でこそ当たり前のことになっているが、明治憲法では、女性はまったく権利を持たない無能力者であった。日本女性にとって感謝すべきこの「男女平等」の草案を書いたのが、当時GHQ民政局にいたベアテ・シロタさんだった。
22才の若い彼女がなぜそんな大役を任されることになったのか?
日本国憲法は、1946年2月4日から12日までの僅か9日間で作成された。ベアテさんは、名ピアニスト、レオ・シロタの娘として5才から15才まで東京で育っている。
戦前の日本女性の哀しい立場を知っていた彼女は、世界各国の憲法を参考にして、膨大な草案を書く。しかし、その大部分がカットされボツになってしまう。彼女は泣いて抗議したが、願いは聞き入れられなかった。
最近まで彼女は、草案作成のメンバーであったことを秘密にしていた。若い女性が憲法を作ったことを憲法改憲の口実にされるのを恐れたからだ。1993年4月、元上司の民政局次長ケーディス氏と共に、かつてGHQだった第一生命ビルを訪れ、東京の旧友達とも再会した。親友達は彼女の秘密を知って、非常に驚く。
ベアテさんとロウスト中佐、ワイルズ氏の3人の手によって書かれた人権条項41条はどのような経過をたどって日本国憲法になっていったか?その答えは、この作品にすべて網羅されている。その意味で、人権に関する価値の高い基礎資料である。
監修・取材
神戸大学教授 五百旗頭 真
■内容 72分(DVD)
■販売価格 4,500円(送料+税別)
■ご注文フォーム
検証 第九条は孤立しているか?
「フランス共和国は、征服を目的とする如何なる戦争をも行わず、また如何なる民族に対する武力も行使しない。」
これは、日本国憲法が公布された1946年11月3日の、一週間前の10月27日に公布・施行されたフランス第四共和制憲法の前文の一部である。
この侵略戦争否定の条項のルーツは、1791年の憲法に見える。戦争放棄の歴史は、人類の悲願として世界史に200年の年輪がある。
世界192ヵ国の憲法を調べると、戦争放棄或いは、侵略戦争否定の条文を持つものが少なくない。フランス・ドイツ・イタリア・韓国・フィリピン・・・。草案作成当事者の証言は、日本国憲法を国際的視野で検証する意味の重用性を示唆している。
証言: フランス第4共和制首相
ピエール・フリムラン
元イタリア首相 ジュリオ・アンドレオッテイ
元イタリア下院議長 ニルデ・イオッテイ
ドイツ・元カナダ大使 エーリッヒ・シュトレートリング
韓国元国会副議長 尹 吉 重
(各国憲法の起草関係者ほか多数)
監修・取材:神戸大学教授 五百旗頭 真
取材・構成:鈴木 昭典
■内容 96分(DVD)
■販売価格 4,500円(送料+税別)
■ご注文フォーム
ベアテのニッポンだいすき アジア大好き!
日本国憲法に男女同権を書いたアメリカ人女性、ベアテ・シロタ・ゴードンさん。彼女の人生は、まさに男女平等の条項を実践してきたものだった! 女性として、母として、多彩に生きてきた彼女の半生をつづる。
日本の男女同権の生みの親として知られるベアテさんが、アメリカとアジア、日本との文化交流で大きな仕事をしたことは以外と知られていない。1945年からジャパン・ソサエティのプロデューサーをつとめた彼女は、1ドルが360円の時代、日本からニューヨークにやって来たオノ・ヨーコ、勅使河原蒼風、彫刻家の流政之、版画家の棟方志功らの世話をし、世界に紹介した。
国と国とが友好的になるのは、お互いの文化を知ることにある。ユダヤ人ゆえに差別され、親戚のほとんどをアウシュビッツで失った体験から出た平和への願い・・・。
60年からアジア・ソサエティのプロデューサーも兼ね、日本やアジアから数多くの民俗芸能をアメリカに招いてきた。インドのカタカリやブータンの仮面舞踊、淡路人形浄瑠璃など、普段ではちょっと見られない芸能と、ベアテさん一家の日本時代の貴重な映像もふんだんに紹介されている。ベアテさんのやさしい魅力に溢れる43分だ。
元GHQ民政局員 ベアテ・シロタ・ゴードン
1923年ウィーンにうまれる。
1929年山田耕作の招待で来日。少女時代を日本で過ごた後アメリカに留学。
1945年両親に会うためGHQ民政局員として再来日、憲法草案に携わる。6ケ国語の語学力を活かし、日本・アジアの文化をアメリカに紹介する活動を続ける。
2012年死去
取材・構成:平岡 磨紀子
■内容43分(DVD)
■販売価格 3,000円(送料+税別)
■ご注文フォーム
対談 女性たちにとっての日本国憲法
2000年12月2日、東京で開かれた ベアテ・シロタ・ゴードン氏と、元社会民主党党首・土井たか子氏の対談をまとめました。
■内容46分(DVD)
■販売価格 2,500円(送料+税別)
■ご注文フォーム